株式会社 小西鍍金はめっきを専門とする表面処理会社です。

硬質クロームめっきガイド

◆◆硬質クロームめっきの析出形状とその対策◆◆
硬質クロームめっきに限らず電気めっきの多くは、程度の差こそあれ、同じような傾向になります。
1-1 カド部に多く析出して中央部が薄くなる
硬質クローム 5〜10倍以上
光沢ニッケル 3〜6倍
対策A  ダミー(赤色部)を使う(当社では、正式には補助陰極、通称カブリ止めと呼ぶ)左図−端面にメッキがのらなくても良い場合  右図−全面メッキが必要な場合ダミーは毎回メッキ剥離が必要。製作コストが安価な為、小ロット品に向いている。
対策B  邪魔板(青色部)を使う(当社では、マスキングと呼ぶ)絶縁物でカドへ集中する電気力線を遮る。マスキングの製作コストが高くつくが品質は安定している為、量産品に向いている。
対策C  陽極(ピンク部)をワークへ接近させ、ワークの中央部へ配置する。ワークのサイズが大きい場合にかぎる。メッキ槽が専用的になるため、付加価値の高い製品には考えても良い。
1-2 スミ部や溝部にはメッキが付きにくい又は、付かない
硬質クロームの場合は、ほとんど付かない。
 Niメッキの場合は、色は付くが厚みは薄い。
対策  陽極(アノード)を近ずける。段差が小さい場合は1−Bの方法でもかなり改善される。
 又、フッ化浴のほうが、付きやすい
1-3 偏って付くあるいは、楕円に付く
アノードの配列が偏っているか、ワークとワークの間隔が狭い
対策A 陽極(アノード)を四方向から均等に配列する。
対策B L≧6*d(直径)
対策C ワークを回転させながらメッキする。
2-1 後処理
 めっき後、水洗→防錆 必要に応じて水素脆性防止のため熱処理(ベーキング)を行います。