株式会社 小西鍍金はめっきを専門とする表面処理会社です。

表面処理・めっきの呼称・水素ぜい性        ベーキング処理

表面処理
電気亜鉛めっき 等級 最小厚(μm) 記号
1種B
光沢クロメート
(ユニクロメッキ)
1級 2 Ep-Fe/Zn 2/CM1
2級 5 Ep-Fe/Zn 5/CM1
3級 8 Ep-Fe/Zn 8/CM1
4級 13 Ep-Fe/Zn13/CM1
5級 20 Ep-Fe/Zn20/CM1
6級 25 Ep-Fe/Zn25/CM1
2種
有色クロメート
(クロメートメッキ)
1級 2 Ep-Fe/Zn 2/CM2
2級 5 Ep-Fe/Zn 5/CM2
3級 8 Ep-Fe/Zn 8/CM2
4級 13 Ep-Fe/Zn13/CM2
5級 20 Ep-Fe/Zn20/CM2
6級 25 Ep-Fe/Zn25/CM2
溶融亜鉛めっき 付着量(g/u) 硫酸銅試験回数 記号
1種 - 4回 HDZ A
- 5回 HDZ B
2種 350以上 - HDZ35
400以上 - HDZ40
450以上 - HDZ45
500以上 - HDZ50
550以上 - HDZ55
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めっきの呼称
 通常使用されているめっきの呼称は、必ずしも規定のものではなく略称や俗称で呼ばれているものがあります。以下に紹介します。
めっきの種類 呼称 由来
電気亜鉛めっき
光沢クロメート
処理(1種)
ユニクロメッキ  電気亜鉛めっきにおけるクロメート処理の光沢仕上はユナイテッドクロミウム社(米国)が開発したもので、その液がユニクロムディップコンパウンドといわれるところからユニクロメッキと呼ばれる様になりました。
電気亜鉛めっき
有色クロメート
処理(2種)
クロメートメッキ  クロメート処理は電気亜鉛めっきにおける亜鉛表面の耐食性と美観を増す処理方法で、本来は光沢、有色、緑色、黒色の4種類があります。
 その有色クロメート処理のみにこの名称を使用し一般化しています。
溶融亜鉛めっき ドブメッキ めっき槽内の溶融液をドブ川にたとえて、呼ばれるようになっといわれています。
天プラメッキ  金属を溶融した液は高温であり、そこに浸漬して出来上がった品物は厚膜であることから、天ぷら料理とよく似ているため呼ばれるようになりました。
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水素ぜい性
 水素ぜい性とは水素が金属内部に侵入しワレやカケを引き起こす事を言います。
水素ぜい性の機構は数種ありますが、水素ガス圧説が分かり易いので以下に説明します。
 〜水素ガス圧説〜
水素原子が金属内部に進入し金属組織内の移動を繰り返すうちに金属内の介在物や空洞に集まります。
 そして、集まった水素原子は分子化し水素ガスを発生します。この際の圧力が金属をぜい化させます。
 水素ぜい性はほとんど全ての金属で発生する可能性がります。
 とくにNi、Pd、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hfを含む金属は水素との結合が強く水素ぜい性を起し易いので注意が必要です。
 水素が金属に侵入する環境は様々です。
 特に電気亜鉛めっきはその工程内で侵入する可能性が高く水素ぜい性を起し易いと言われています。
 10.9強度のボルトでは使用時の外部応力が高い為、水素ぜい性が起こり易く注意が必要です。
 防止方法としては、電気亜鉛めっき処理後は、過熱法(ベーキング処理)が使われます。
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ベーキング処理
 水素脆性の防止策としてめっき処理後に行う処理方法です。
 加熱時間は製品の大きさや材質等により異なりますが、一般的に180℃〜200℃で3〜4時間程度加熱することにより水素ぜい性を除去します。
 めっき直後に行うのが良いとされます。
 めっき直後は水素が比較的素地の表層に存在しているので放出されやすい為です。
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