株式会社 小西鍍金はめっきを専門とする表面処理会社です。

電気めっきの原理


アノード反応 : Cu→Cu2+2e
カソード反応 : Cu2+2e→Cu
 図1に示すように、「めっき」しようとする金属のイオンを含むめっき液の中に、めっきしようとする製品を入れて陰極(−)とし、陽極(+)には、めっきしようとする金属(可溶性陽極)を用いて、両極間に直流電源を接続して適当な電圧を与えると、電流が流れて、陰極で還元反応が起り、めっきしようとする金属が析出し、めっき皮膜に成長します。
(注1)可溶性陽極とは。
 めっきの進行に伴って、金属がめっき液に溶解する陽極のことです。これによって、減少しためっき液中の金属イオンを補給することができます。陰極で析出しためっき皮膜の金属の量と、陽極で溶解した金属の量が同量であれば、めっき液中の金属の量は変動しないので理想的です。(銅めっきなど)
 これに対して、めっき液に溶解しない陽極(不溶性陽極)も使われます。この場合の金属イオンの補給は、化学薬品で行います。(クロムめっきなど)
(注2)還元反応とは。
 陰極(めっきしようとする製品)の表面で、めっき液中の金属イオン(金属がめっき液に溶けている状態)が、直流電流(電子)によってイオンから(電荷を失って)金属になる反応です。この反対が、陽極で起こる酸化反応で、金属がめっき液に溶けて、金属イオンになる反応です。この二つの反応は陰極と陽極で同時に起きます。
 通常、日本では、「めっき」というと、装飾や防食のために施された金属の皮膜そのものをいいますが、時には「めっき皮膜を形成する作業全体」も含めていうことがあります。例えば、「このめっきは硬い」といえば、めっき皮膜の硬度が高いことを意味していますが、「このめっきはひどい」といえば、めっき前の研磨や後処理まで含めた、めっき作業全体を評価しています。
 「めっき」という言葉は本来、「鍍金」で、マスコミなどでは「メッキ」などと外来語扱いされますが、古来、仏像などをめっきする際に用いられた水銀アマルガム法で、金の黄金色が水銀に溶けて消えてなくなることから「滅金」(めっきん)といわれ、それが鍍金になり、漢字制限で現在の「めっき」になったようです。